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文献詳細

雑誌文献

medicina36巻11号

1999年10月発行

文献概要

増刊号 これだけは知っておきたい検査のポイント 第6集 血液生化学検査 血液ガス・電解質・微量金属

血漿浸透圧

著者: 菅野一男1 平田結喜緒2

所属機関: 1武蔵野赤十字病院内分泌代謝科 2東京医科歯科大学医学部第2内科

ページ範囲:P.426 - P.427

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異常値の出るメカニズムと臨床的意義
 血漿浸透圧(Posm)はNa,K,ブドウ糖などの容質濃度の総和によって決定される.臨床検査としては凝固点降下法によることが多いが,血中の各溶質成分濃度より,次の計算式により算出可能である.
 Posmを決定する最大の因子は血清Na濃度である.したがって,高Na血症では血漿浸透圧の上昇を認める.Posmの上昇は,視床下部の浸透圧受容体を介して抗利尿ホルモン(ADH)の分泌を増加させる.ADHは腎集合尿細管に作用し,水チャネル・アクアポリン2(AQP2)を活性化し,水の再吸収を促進し(尿浸透圧は上昇),Posmを一定に保つように作用する.したがって,Posmは血漿ADH濃度,尿浸透圧と関連させて評価する必要がある.ADHの分泌異常と腎での作用障害を生じる様々な病態でPosmの異常が生じる可能性がある.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1189

印刷版ISSN:0025-7699

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