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文献詳細

雑誌文献

medicina36巻11号

1999年10月発行

文献概要

増刊号 これだけは知っておきたい検査のポイント 第6集 血液生化学検査 先天性(代謝)異常のスクリーニング

新生児マス・スクリーニング

著者: 大和田操1

所属機関: 1駿河台日本大学病院小児科

ページ範囲:P.445 - P.447

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新生児マス・スクリーニングの対象疾患
 特定の遺伝子の先天的な異常に起因する疾患は,先天性代謝異常症(inborn errors of metabolism:IEM)と総称され,メンデル遺伝を示し,その多くに今日なお有効な治療法が存在しない.しかし,1934年に初めて報告されたフェニルケトン尿症(phenylketonuria:PKU)では,1953年にフェニルアラニン(Phe)摂取制限食が有効なことが報告され,1961年には本症の簡易スクリーニング方法が開発されて,欧米では1960年代後半からPKUの新生児マス・スクリーニングが広く行われるようになった.また,治療法があるPKU以外のIEMについてもスクリーニング方法が開発されている.
 わが国では,1977年からPKUを含む5種類のIEMにっいて公費による新生児マス・スクリーニングが開始され,1980年には先天性甲状線機能低下症(クレチン症)が追加された.一方,約20年の成績から,ヒスチジン血症は良性のIEMと判定されてスクリーニングから外され,1989年からは先天性副腎過形成症の一種である21-ヒドロキシラーゼ欠損症が加わった.1999年現在,わが国で新生児マス・スクリーニングの対象となっている疾患とその特徴を表1に示す.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1189

印刷版ISSN:0025-7699

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