icon fsr

文献詳細

雑誌文献

medicina36巻11号

1999年10月発行

文献概要

増刊号 これだけは知っておきたい検査のポイント 第6集 内分泌学的検査 下垂体

ACTH(副腎皮質刺激ホルモン)

著者: 庄司優1 須田俊宏2

所属機関: 1弘前大学医学部臨床検査医学 2弘前大学医学部第3内科

ページ範囲:P.460 - P.461

文献購入ページに移動
異常値の出るメカニズムと臨床的意義
 ACTHはアミノ酸39個からなるポリペプチドホルモンで,下垂体前葉から分泌される.分泌されたACTHは,副腎皮質からのコルチゾールの分泌を促進する.ACTHの分泌調節は,視床下部で産生されるCRH(副腎皮質刺激ホルモン放出ホルモン)により刺激され,コルチゾールにより抑制される.血漿ACTH濃度は下垂体前葉からの分泌を反映し,日内変動が認められ,起床時に高く就寝時に低い(乳幼児期には日内変動不明確).脈動的間歇的分泌もあり,また,ストレスや食事などの影響を受けやすい.
 ACTHが高値を示すときには,視床下部または異所性のCRH産生増加,下垂体または異所性のACTH産生増加,または,副腎皮質からのコルチゾールの分泌低下などが考えられる.ACTHが低値を示すときには,視床下部におけるCRH産生障害,下垂体におけるACTH産生障害,副腎皮質からのコルチゾールの分泌充進や合成糖質コルチコイド剤の大量長期投与などが考えられる.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1189

印刷版ISSN:0025-7699

雑誌購入ページに移動
icon up

本サービスは医療関係者に向けた情報提供を目的としております。
一般の方に対する情報提供を目的としたものではない事をご了承ください。
また,本サービスのご利用にあたっては,利用規約およびプライバシーポリシーへの同意が必要です。

※本サービスを使わずにご契約中の電子商品をご利用したい場合はこちら