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文献詳細

雑誌文献

medicina36巻11号

1999年10月発行

文献概要

増刊号 これだけは知っておきたい検査のポイント 第6集 内分泌学的検査 性腺

hCG(ヒト絨毛性ゴナドトロピン)

著者: 久保田俊郎1

所属機関: 1東京医科歯科大学医学部産科婦人科

ページ範囲:P.482 - P.483

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異常値の出るメカニズムと臨床的意義
 Human chorionic gonadotropin(hCG)はヒト胎盤絨毛において合成・分泌され,妊娠の成立・維持に重要な働きを示す糖蛋白ホルモンである.分子量は39,000で,α,β,2種類のサブユニットの非共有結合により結成される異分子二量体である.そのうちαサブユニットは92個のアミノ酸残基からなり,狭義の糖蛋白ホルモングループに属する下垂体由来のLH,FSH,TSHに共通であり,βサブユニットはおのおののホルモン特異性を担っている1).したがって,hCGの生物学的ならびに免疫学的特異性はβサブユニット部分にある.
 hCGは,絨毛のジンチチウム細胞(栄養膜合胞細胞)から分泌されると考えられ,妊娠の成立とともに急激に増加するため,尿中hCGの検出が妊娠診断の決め手となる.また,妊娠初期での血中または尿中hCGの分泌パターンが異常を示せば,異常妊娠を知る重要な指標となる.妊娠のごく早期の診断や絨毛性疾患の管理に際しては,LHと交叉反応を示さないhCG-β測定が有用である.さらにhCGは,着床周辺期における黄体機能を助け,卵巣での月経黄体から妊娠黄体への変化とその機能維持に重要な役割を果たす.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1189

印刷版ISSN:0025-7699

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