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文献詳細

雑誌文献

medicina36巻11号

1999年10月発行

増刊号 これだけは知っておきたい検査のポイント 第6集

免疫学的検査 感染症関連検査 ウイルス抗原・抗体検査

インフルエンザウイルス

著者: 板村繁之1

所属機関: 1国立感染症研究所ウイルス第1部

ページ範囲:P.514 - P.516

文献概要

検査の目的・意義
 インフルエンザは急性の呼吸器疾患で,一般に悪寒,発熱,頭痛,倦怠感,筋肉痛,関節痛などの全身症状から始まり,鼻汁,咽頭痛などの上気道炎の症状を呈する.また,2次的に併発する肺炎などにより,いわゆるハイリスクと呼ばれる慢性疾患を有する人および高齢者などの死亡要因として重要である.また近年,小児におけるインフルエンザ感染に伴った脳炎・脳症も,その予後の悪いことから注目されている.
 インフルエンザは臨床症状だけで確定診断することは非常に困難である.日本では,いわゆる「かぜ」とインフルエンザはしばしば混同されて扱われている.「かぜ」にはいくつかの病原体が関与しているが,インフルエンザはインフルエンザウイルスによって引き起こされる呼吸器感染症である.このことはワクチンの効果を議論する際にもよく問題となっている.したがって,インフルエンザの確定診断にはウイルス抗原の検出やウイルスに対する特異的抗体の検査が必要である.また,1998年11月よりすでにParkinson病の治療薬として認可されていたアマンタジン(シンメトレル®)がインフルエンザへ適応拡大された.このためアマンタジンによるインフルエンザの治療が可能になり,確定診断は治療上も重要である.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1189

印刷版ISSN:0025-7699

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