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文献詳細

雑誌文献

medicina36巻11号

1999年10月発行

文献概要

増刊号 これだけは知っておきたい検査のポイント 第6集 免疫学的検査 感染症関連検査 ウイルス抗原・抗体検査

HTLV-I抗体

著者: 山口一成1

所属機関: 1熊本大学医学部輸血部

ページ範囲:P.520 - P.523

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異常値の出るメカニズムと臨床的意義
 HTLV-I感染者の大多数はいわゆるキャリアである.日本全体で120万人,九州・沖縄・南四国のみで60万人のキャリアが存在する.世界的には南西日本,カリブ海地方を含む中南米,中央アフリカ,イランの一部などがHTLV-I浸淫地域である.キャリア率は年齢とともに上昇し,特に女性でその傾向が強い.
 HTLV-I抗体は成人T細胞白血病(ATL),HTLV-I関連ミエロパシー(HAM/TSP),HTLV-Iぶどう膜炎(HU)などのHTLV-I関連疾患の診断,母児感染や輸血による感染防止のためのキャリアを同定するために不可欠である.ATL,HAM/TSP,HUなどのHTLV-I関連疾患は,HTLV-Iキャリアの中から発症し,キャリアは感染リンパ球を通じ他人への感染源となりうる.HTLV-IにはpX遺伝子(tax,rex)があり,taxはIL-2などのサイトカインを活性化し,ATL発症に重要であり,発症時の様々な臨床病態とも関連している.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1189

印刷版ISSN:0025-7699

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