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文献詳細

雑誌文献

medicina36巻11号

1999年10月発行

増刊号 これだけは知っておきたい検査のポイント 第6集

免疫学的検査 感染症関連検査 ウイルス抗原・抗体検査

HIV-1,HIV-2

著者: 中村哲也1 森本幾夫1

所属機関: 1東京大学医科学研究所ウイルス疾患診療部

ページ範囲:P.524 - P.528

文献概要

異常値の出るメカニズムと臨床的意義
 レトロウイルス科のレンチウイルス亜科に分類されるヒト免疫不全ウイルス(human immunodeficiency virus:HIV)にはHIV-1とHIV-2とがあり,AIDS(acquired immunodeficiency syndrome)の原因ウイルスである.
 HIVの外被糖蛋白質(HIV-1:gp120/HIV-2:gp125)がTリンパ球,単球やマクロファージの細胞膜に発現しているCD4抗原に結合すると,外被膜と細胞膜との融合が起こってHIVは細胞内に入り感染が成立する.細胞内に入ったHIVゲノムRNAは逆転写酵素(reverse transcriptase:RT)により2本鎖DNAに逆転写され核内に入り,宿主DNAに組み込まれプロウイルスとして存在し,宿主細胞自身の転写調節機構を巧みに利用しながらHIVを複製する.複製したHIVは直接的あるいは間接的な経路でCD4陽性Tリンパ球を傷害する.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1189

印刷版ISSN:0025-7699

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