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文献詳細

雑誌文献

medicina36巻11号

1999年10月発行

文献概要

増刊号 これだけは知っておきたい検査のポイント 第6集 免疫学的検査 感染症関連検査 ウイルス抗原・抗体検査

EBウイルス

著者: 東田修二1

所属機関: 1東京医科歯科大学医学部臨床検査医学

ページ範囲:P.534 - P.535

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異常値の出るメカニズムと臨床的意義
 EBウイルスは通常,幼児期までに唾液を介して初感染するが,症状は示さず(不顕性感染),以後生涯にわたりリンパ球での潜伏感染状態となる.思春期以降に初感染すると伝染性単核球症の発症がみられる.EBウイルスは腫瘍の発症にも関与する.
 EBウイルス抗体には,カプシド抗原に対する抗体(抗VCA IgG,IgM,IgA),早期抗原に対する抗体(抗EA IgG,IgA),核内抗原に対する抗体(抗EBNA)がある.これらの抗体価は初感染後,図1のように推移する.抗VCA IgMは初感染の急性期に一過性に出現し,1〜2ヵ月で消失する.抗VCA IgGは終生持続する.抗EA IgGはウイルスの増殖の程度と相関する.抗EBNAは遅れて出現し終生持続する.これらの抗体価を測定すると,表1のようなパターンより,EBウイルス未感染,既感染,初感染による伝染性単核球症,慢性活動性EBウイルス感染症,Burkittリンパ腫や上咽頭癌などのEBウイルス関連腫瘍を診断する根拠となる.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1189

印刷版ISSN:0025-7699

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