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文献詳細

雑誌文献

medicina36巻11号

1999年10月発行

文献概要

けんさ—私の経験

血液透析患者では血中のβ-D-glucanが高値である

著者: 加藤明彦1

所属機関: 1新風会丸山病院内科

ページ範囲:P.571 - P.571

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 β-D-glucanは,candida,aspergillusおよびcryptococcusなどの真菌細胞壁を構成する主要な多糖類である.血中β-D-glucan値は,測定キットの感度が86%と良好なため,深在性真菌症のスクリーニングとしてしばしば用いられている(20pg/ml以上が陽性,本誌p560を参照).しかし開胸,開腹手術など大量のガーゼを使用した際は,血中濃度が300〜400pg/ml(正常は10pg/ml以下)と一過性に上昇し,偽陽性を呈することがある.
 今回,不明熱の血液透析患者において血中β-D-glucan値を測定したところ,1,000pg/ml以上と異常高値を呈していた.培養では真菌は検出されず,その後,透析膜を再生セルロース膜よりトリアセテート膜に変更したところ,2カ月後には血中濃度は80.8pg/mlまで自然低下した.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1189

印刷版ISSN:0025-7699

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