文献詳細
けんさ—私の経験
文献概要
β-D-glucanは,candida,aspergillusおよびcryptococcusなどの真菌細胞壁を構成する主要な多糖類である.血中β-D-glucan値は,測定キットの感度が86%と良好なため,深在性真菌症のスクリーニングとしてしばしば用いられている(20pg/ml以上が陽性,本誌p560を参照).しかし開胸,開腹手術など大量のガーゼを使用した際は,血中濃度が300〜400pg/ml(正常は10pg/ml以下)と一過性に上昇し,偽陽性を呈することがある.
今回,不明熱の血液透析患者において血中β-D-glucan値を測定したところ,1,000pg/ml以上と異常高値を呈していた.培養では真菌は検出されず,その後,透析膜を再生セルロース膜よりトリアセテート膜に変更したところ,2カ月後には血中濃度は80.8pg/mlまで自然低下した.
今回,不明熱の血液透析患者において血中β-D-glucan値を測定したところ,1,000pg/ml以上と異常高値を呈していた.培養では真菌は検出されず,その後,透析膜を再生セルロース膜よりトリアセテート膜に変更したところ,2カ月後には血中濃度は80.8pg/mlまで自然低下した.
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