icon fsr

文献詳細

雑誌文献

medicina36巻11号

1999年10月発行

文献概要

増刊号 これだけは知っておきたい検査のポイント 第6集 免疫学的検査 自己免疫関連検査

抗DNA抗体

著者: 佐藤和人1

所属機関: 1日本女子大学保健管理センター,食物学科(臨床栄養)

ページ範囲:P.574 - P.575

文献購入ページに移動
異常値の出るメカニズムと臨床的意義
 抗DNA抗体は,細胞核のDNA成分に対する抗体であり自己抗体の一つである.全身性エリテマトーデス(SLE)をはじめとする自己免疫性リウマチ性疾患において出現するが,特にSLEにおいて疾患の診断,活動性の評価,治療効果の判定に重要な指標となる.抗DNA抗体は2本鎖DNA(dsDNA),1本鎖DNA(ssDNA),および稀に左巻きDNA(zDNA)に対する抗体が存在する.抗DNA抗体はその反応性から①dsDNAのみと反応する抗体,②dsDNAとssDNAの両者と反応する抗体,③ssDNAのみと反応する抗体に一般的に分類される.このなかで①②のdsDNAに対する抗体が臨床的には最も重要な意義をもつ.抗dsDNA抗体は通常の場合,ssDNAとも反応するため②のタイプとして存在する.①のdsDNAのみと反応する抗体はごく稀である.抗dsDNA抗体はDNA構造の糖-リン酸骨格部と反応し結合する.抗dsDNA抗体はアメリカリウマチ学会(ACR)のSLE分類基準項目の一つに挙げられている.一方,ssDNAのみと反応する抗体(DNAの塩基配列に反応するIgMクラスの抗体など)は,SLE以外の自己免疫性リウマチ性疾患や薬剤誘発性ループスでも高率にみられるため,疾患特異性は低い.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1189

印刷版ISSN:0025-7699

雑誌購入ページに移動
icon up

本サービスは医療関係者に向けた情報提供を目的としております。
一般の方に対する情報提供を目的としたものではない事をご了承ください。
また,本サービスのご利用にあたっては,利用規約およびプライバシーポリシーへの同意が必要です。

※本サービスを使わずにご契約中の電子商品をご利用したい場合はこちら