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文献詳細

雑誌文献

medicina36巻11号

1999年10月発行

文献概要

増刊号 これだけは知っておきたい検査のポイント 第6集 免疫学的検査 自己免疫関連検査

リウマトイド因子

著者: 小竹茂1

所属機関: 1東京女子医科大学膠原病リウマチ痛風センター

ページ範囲:P.581 - P.583

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異常値の出るメカニズムと臨床的意義
 アメリカリウマチ学会(ACR)がrheumatoidarthritis(RA;慢性関節リウマチ)を公式に採用したのが1941年であり,同じ頃の1940年にOsloのEric Waalerにより,またWaalerとは別に1948年にNew YorkのHary M.Roseによりリウマトイド因子(rheumatoid factor:RF)は発見された.しかし,当時その実体は明らかではなく,ヒツジ赤血球に対するウサギ血清で感作されたヒツジ赤血球に,RA患者の血清を加えると赤血球が凝集する現象から,RAに特異的な血清因子の存在が推定されRFと呼ばれた.
 今日では,RFはIgGのFc部分の抗原決定基と結合する自己抗体,つまり抗体に結合する抗体であることがわかっている.このRFは主にIgMであるが,IgG, IgA, IgD, IgEなどに属する低分子免疫グロブリンにも分布している.ほかの多くの自己抗体と同様に,産生機構は不明である.RAのほかの膠原病,慢性感染症,慢性肝疾患でも高率に検出される.また,健常人においても1〜5%の頻度で検出され,生理的な役割も示唆されている.高齢者ほど陽性率が高くなり,75歳以上では約75%が陽性となる.ことに家族歴を有する人の陽性率は10%に達するといわれている.健常者では,RFが高力価陽性の者は将来RAを発症する確率が高いという.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1189

印刷版ISSN:0025-7699

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