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文献詳細

雑誌文献

medicina36巻11号

1999年10月発行

文献概要

けんさ—私の経験

抗カルジオリピン抗体の測定

著者: 青木和利1

所属機関: 1埼玉社会保険病院リウマチ膠原病科

ページ範囲:P.599 - P.599

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 抗リン脂質抗体症候群を診断する際には,抗カルジオリピン抗体あるいはループス・アンチコアグラントを測定する必要があるが,現在保険収載されている測定法には,いわゆる抗カルジオリピン抗体である抗CL-β2-GP1キット「ヤマサ」EIAとMESACUPカルジオリピンテストがある.抗カルジオリピン抗体はカルジオリピンを認識するのではなく,β2-GP1を抗原とすると考えられるようになって,抗β2-GP1抗体の測定がまず保険収載され,その後国際ワークショップにおいて標準法とされたHarrisらのELISA法に基づいたMESACUPカルジオリピンテストも保険収載された.
 抗カルジオリピン抗体は,β2-GP1以外のcofactorにも反応すると考えられることから,MESACUPカルジオリピンテストはスクリーニング的に使用できると思われた.しかし,実際に多くの症例を測定してみたところ,MESACUPカルジオリピンテスト陰性で抗β2-GP1抗体陽性症例も少数例存在し,またそのなかには血栓症状をもつ者がみられた.原因としては,MESACUPカルジオリピンテストで使用しているウシ血清中のβ2-GP1の濃度が一定でなく,低いものが存在する可能性や,抗β2-GP1抗体測定においてはヒトβ2-GP1を使用していることから,ウシβ2-GP1には反応しない抗体もつかまえている可能性などが考えられる.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1189

印刷版ISSN:0025-7699

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