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文献詳細

雑誌文献

medicina36巻11号

1999年10月発行

文献概要

増刊号 これだけは知っておきたい検査のポイント 第6集 免疫学的検査 自己免疫関連検査

抗平滑筋抗体(SMA)

著者: 安村敏1 渡辺明治1

所属機関: 1富山医科薬科大学第3内科

ページ範囲:P.600 - P.600

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異常値の出るメカニズムと臨床的意義
 抗平滑筋抗体は,主にactinに対する自己抗体で,IgG,IgMの両者が存在する.抗平滑筋抗体は臓器特異性,種特異性はなく,補体結合性をもたない.自己免疫性肝炎I型(ルポイド型)で,抗核抗体と並んでIgM型の抗平滑筋抗体が高力価で場性となるが,その対応抗原は平滑筋や横紋筋に多く存在するS-actinである.この抗原は細胞膜や肝細胞の細胞骨格にも分布しており,抗平滑筋抗体が肝障害を起こす機序が想定されている.一方,高力価のIgGクラスのactin抗体は,抗核抗体よりも自己免疫性肝炎特異性が高いとされている.抗平滑筋抗体はSLE(全身性エリテマトーデス〉で通常は陰性であり,自己免疫性肝炎I型とSLEによる肝障害との鑑別に有用である.
 1976年Bottazzoらにより,抗平滑筋抗体はラット腎切片の染色様式により,尿細管染色されるSMA-T(tublar),糸球体が染色されるSMA-G〔glomeruli),血管壁が染色されるSMA-V(vessels),の3種に分類されたが,活動性自己免疫性肝炎では,SMA-V(vessels)やSMA-T(tublar)が検出される頻度が高い.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1189

印刷版ISSN:0025-7699

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