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文献詳細

雑誌文献

medicina36巻11号

1999年10月発行

文献概要

増刊号 これだけは知っておきたい検査のポイント 第6集 免疫学的検査 自己免疫関連検査

抗胃壁細胞抗体,抗内因子抗体

著者: 小川法良1 菅井進1

所属機関: 1金沢医科大学血液免疫内科

ページ範囲:P.601 - P.601

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異常値の出るメカニズムと臨床的意義
 経口摂取されたビタミンB12(以下B12)は胃底部,胃体部に存在する胃壁細胞が胃液中に分泌する内因子と結合し,複含体を形成することによって回腸終末部の腸粘膜に存在する内因子受容体を介して吸収される.吸収されたB12はトランスコバラミンIIと結合して組織に運搬される.活性型B12の一つであるメチルコバラミンは,ホモンステインからメチオニンを合成する補酵素として作用し,この経路は葉酸の代謝経路における5-メチルテトラヒドロ葉酸からテトラヒドロ葉酸への変換経路と共役している.このためB12の欠乏はテトラヒドロ葉酸の欠乏,さらに5,10メチレンテトラヒドロ葉酸の欠乏をもたらす.この結果造血細胞におけるDNA合成が障害され,巨赤芽球貧血が発症する.巨赤芽球は成熟した細胞質と未熟な核をもつ大型の赤芽球であり,葉酸欠乏でも認められる.同時に汎血球減少を認めることが多い.
 抗胃壁細胞抗体の対応抗原はH,K-ATPase(プロトンポンプ)であるため萎縮性胃炎と無酸症を示す.通常蛍光抗体法にて測定する.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1189

印刷版ISSN:0025-7699

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