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文献詳細

雑誌文献

medicina36巻11号

1999年10月発行

文献概要

けんさ—私の経験

ANCA関連の血管炎は透析導入後も再燃する

著者: 加藤明彦1

所属機関: 1新風会丸山病院内科

ページ範囲:P.609 - P.609

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 抗好中球細胞質抗体(ANCA)陽性の半月体形成性腎炎は,急速に腎機能が悪化し,20%の患者は末期腎不全に移行する.しかし,透析導入後の疾患活動性について不明な点が多い(本号p.606を参照).
 今回,80歳で発症し,透析導入8カ月後にANCA関連の血管炎を再発した女性例を経験した.患者は発熱,全身倦怠感,腎機能低下で発症し,p-ANCA785IU/ml(正常10未満)および腎生検にて半月体形成性腎炎がみられたことより,ANCA関連腎炎と診断し,ステロイド剤の投与を開始した.治療開始後,p-ANCAは32IU/mlまで低下したが,腎不全は進行し,1ヵ月後に血液透析に導入された.高齢であり糖尿病も合併したため,ステロイド剤は徐々に減量し,透析導入半年後に中止した.しかし,中止2ヵ月後より発熱,咳,血中CRP強陽性ならびに両肺の間質影の増加がみられた.血中p-ANCA値が202IU/mlと上昇していたことよりANCA関連の間質性肺炎と診断し,ステロイド剤およびシクロホスファミドを投与した.治療後p-ANCAは陰性化し,症状は軽快した.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1189

印刷版ISSN:0025-7699

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