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文献詳細

雑誌文献

medicina36巻11号

1999年10月発行

文献概要

増刊号 これだけは知っておきたい検査のポイント 第6集 免疫学的検査 サイトカイン

エリスロポエチン

著者: 別所正美1

所属機関: 1埼玉医科大学第1内科

ページ範囲:P.634 - P.635

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異常値の出るメカニズムと臨床的意義
 エリスロポエチン(EPO)は主として腎で産生される分子量約34kDの糖蛋白で,骨髄における赤芽球系造血前駆細胞の分化・増殖を刺激し,アポトーシスを抑制することによって赤血球の産生を調節する造血因子である.したがって,血中EPO濃度の測定は生体内での赤血球造血の状態を把握する指標となりえる.
 EPOによる赤血球産生の調節機構は図1のようになる.すなわち,腎機能が正常な場合には,心肺疾愚や貧血など様々な原因による酸素分圧の低下が腎の酸素センサーで感知され,腎でのEPO産生が亢進し,結果として骨髄での赤血球産生が盛んになる.一方,EPOの産生臓器である腎に障害があるときは,貧血があっても,それに対応するだけの血清EPO濃度の上昇がみられない.したがって,血中EPO濃度は腎機能によって大きく影響を受けることになる.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1189

印刷版ISSN:0025-7699

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