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文献詳細

雑誌文献

medicina36巻11号

1999年10月発行

文献概要

増刊号 これだけは知っておきたい検査のポイント 第6集 腫瘍マーカー 消化器系

CEA(癌胎児性抗原)

著者: 藤野雅之1 坂本美穂子2

所属機関: 1山梨医科大学第1内科 2山梨医科大学臨床検査部

ページ範囲:P.646 - P.649

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異常値の出るメカニズムと臨床的意義
 CEA(carcinoembryonic antigen)は分子量約20万の糖蛋白で,1965年Goldらにより,ヒト大腸癌組織および胎児腸管に存在する癌特異性抗原として報告されたが,癌のみならず一部の良性疾患でも血中に増量し,さらに成人正常組織でもCEAが産生されることなどの点から,そのcarcinoembryonicな性格は否定されるに至った.
 正常組織で産生されたCEAは,細胞膜を通過して管腔面を被う粘液中に分泌されglycocalyxに局在して,血液内には移行しないが,癌細胞が正常の組織構築を破壊,浸潤し始めると,CEAが血中に移行するものと考えられる.さらに,こうして血中に移行しやすいCEAは,分子構造上も正常組織の産生するCEAと相違がある可能性は否定できない.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1189

印刷版ISSN:0025-7699

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