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文献詳細

雑誌文献

medicina36巻11号

1999年10月発行

増刊号 これだけは知っておきたい検査のポイント 第6集

腫瘍マーカー 消化器系

シアリルSSEA-1(SLX)

著者: 大倉久直12

所属機関: 1茨城県立中央病院 2茨城県地域がんセンター

ページ範囲:P.658 - P.658

文献概要

異常値の出るメカニズムと臨床的意義
 SLXとは,II型糖鎖3[Galβ14GlcNAcβ]1→Cerの基幹部分[ ]が長い繰り返し構造をもつ胎児性抗原SSEA-1(stage specific embryonic antigen 1)のc末端にシアル酸がついた構造(NeuAcα2→n[3Galβ14GlcNAcβ(3±1Fucα)]1→Cer)の糖鎖であり,初期胚の8細胞期と胎児肺胞や気管粘膜と,微量には成人腎の近位尿細管と顆粒球にみられる.
 癌では肺,胃,大腸,乳腺,膵臓,卵巣などの癌組織で大量に産生され血清中に検出され,これらの癌の診断補助と治療モニターに利用される血清腫瘍マーカーである.本抗原が細胞接着に関与するため,陽性腫瘍は陰性腫瘍よりも遠隔転移率が高く,患者の予後も短いとの報告がある.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1189

印刷版ISSN:0025-7699

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