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文献詳細

雑誌文献

medicina36巻11号

1999年10月発行

文献概要

増刊号 これだけは知っておきたい検査のポイント 第6集 腫瘍マーカー 消化器系

PIVKA-II

著者: 田中直英1 荒川泰行1 森山光彦1

所属機関: 1日本大学医学部第3内科

ページ範囲:P.662 - P.663

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異常の出るメカニズムと臨床的意義
 PIVKA-II(protein induced by vitamin Kabsence or antagonist-II)は,des-γ-carboxyprothrombinともいわれる異常プロトロンビンである.Liebmanら1)により肝細胞癌患者血清に高率に検出されることが報告されて以来,現在でも肝細胞癌に対する腫瘍マーカーとして,AFP(α-fetoprotein)とともに臨床応用されている.
 プロトロンビンは,肝臓で合成される凝固因子の一つであり,そのアミノ酸末端付近に10個のγ-カルボキシグルタミン酸(Gla)残基を有しているが,その合成過程において必要とされるvitamin Kがvitamin Kの欠乏や肝障害などにより不足すると,プロトロンビン前駆体のグルタミン酸(Glu)残基がGlaに転換されにくくなり,生理活性を有しない異常プロトロンビンとして血液中に出現してくる.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1189

印刷版ISSN:0025-7699

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