文献詳細
増刊号 これだけは知っておきたい検査のポイント 第6集
腫瘍マーカー 泌尿器系
文献概要
1936年にGutmanらにより,酸性ホスファターゼ(acid phosphatase:AP)が骨転移を有する前立腺癌患者の血清中で上昇することが報告されて以来,前立腺癌の診断や治療効果判定に血清酸性ホスファターゼ活性が測定されてきた.しかし,酸性ホスファターゼは前立腺に特異的ではなく,赤血球,肝,腎,骨などにも存在することから,後に前立腺特異分画である前立腺性酸性ホスファターゼ(prostatic acid phosphatase:PAP)が分離精製され,その特異抗体を用いた種々の免疫学的測定法が開発され現在に至っている.前立腺特異抗原(prostate specific antigen:PSA or PA)が臨床的に普及する80年代まで前立腺腫瘍マーカーとして広く用いられてきたが,現在では,PSAに比べ早期癌での陽性率が低いことからスクリーニングには用いられていない傾向にある.
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