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増刊号 これだけは知っておきたい検査のポイント 第6集 細菌検査 感受性検査
ディスク法
著者: 福地邦彦1
所属機関: 1昭和大学医学部臨床病理
ページ範囲:P.704 - P.707
文献購入ページに移動ディスク法は,細菌の抗菌薬感受性を定量的に判定する手技であり,小さい吸水性の紙の円板に既知量の抗菌薬を含ませたものを使用して行う.検査対象とする菌株を塗り広げた寒天平板の上表面にこのディスクを置き培養を行う.ディスクは培地中の水分を吸収して抗菌薬が溶解し,ディスクから培地中へ拡散し,時間とともにディスク周辺の培地中に染み出た抗菌薬の濃度勾配ができあがる.被検菌は増殖を開始するが,菌の感受性に従い高濃度領域では発育が阻止され,発育阻害の同心円(阻止円)ができあがる.検査手技が確実であれば,この阻止円の半径はほとんどの抗菌薬において,微量液体希釈法で求められるminimalinhibitory concentrationとほぼ完全に相関する.したがって,感染症治療の現場では,簡便で,かつ信頼度の高い抗菌薬感受性検査として利用される.
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