文献詳細
文献概要
カラーグラフ 病原微生物を見る・4
チフス
著者: 江崎孝行1 趙立成1
所属機関: 1岐阜大学医学部微生物学
ページ範囲:P.1898 - P.1901
文献購入ページに移動 チフス菌(Salmonella typhi)は通性嫌気性のグラム陰性桿菌で,Enterobacteriaceae腸内細菌科に属する危険度レベル3の病原体である.
菌体の周囲は多数の鞭毛がついており(図1),表面はさらにVi抗原と呼ばれるきょう膜で覆われている.腸チフスを疑った場合は,選択培地SS培地(Salmonella-Shigella)を使用して便を直接この培地に塗布して分離培養するするが,他のサルモネラと異なりこの菌はSS培地上で硫化水素の産生が弱いため,赤痢菌と同じような透明の集落をつくる(図2).硫化水素は徐々に産生され,数日経過すると徐々に中心が黒く周辺が透明の集落になってくる.
菌体の周囲は多数の鞭毛がついており(図1),表面はさらにVi抗原と呼ばれるきょう膜で覆われている.腸チフスを疑った場合は,選択培地SS培地(Salmonella-Shigella)を使用して便を直接この培地に塗布して分離培養するするが,他のサルモネラと異なりこの菌はSS培地上で硫化水素の産生が弱いため,赤痢菌と同じような透明の集落をつくる(図2).硫化水素は徐々に産生され,数日経過すると徐々に中心が黒く周辺が透明の集落になってくる.
掲載誌情報