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文献詳細

雑誌文献

medicina36巻5号

1999年05月発行

今月の主題 高齢者医療—現状と展望

高齢者によくみられる疾患

高血圧

著者: 荻原俊男1

所属機関: 1大阪大学大学院加齢医学

ページ範囲:P.774 - P.775

文献概要

●高齢者の高血圧は大動脈の伸展性低下によるWindkessel機能障害が背景にあり,収縮期血圧の著増,脈圧の開大が特徴で,これらはいずれも高齢者の心血管系疾患発症・死亡のリスクとなる.
●血圧の動揺性増加,起立性低血圧,食後血圧低下などがみられ,これらは圧受容器反射の障害に起因する.また,早朝血圧上昇,白衣高血圧,夜間非降圧(non-dipper)などの頻度も増加する.
●降圧薬治療の効果は収縮期高血圧を含めて証明されている.利尿薬,β遮断薬,Ca 拮抗薬が現在までに介入試験で有効性が証明されている.心不全,腎障害の効果など臓器保護効果の面からACE(変換酵素)阻害薬も第一次薬として有用であり,合併症に応じて最も適した降圧薬を選択する.
●80歳代後半では新規の治療効果は少なく,緊急症の恐れがある場合を除いて積極的な治療はしない.高齢者においては一般に降圧はマイルドに,より緩徐に行う.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1189

印刷版ISSN:0025-7699

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