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今月の主題 慢性呼吸不全に必要な基礎知識 座談会
慢性呼吸不全の日常管理をめぐって
著者: 福地義之助1 吉田稔2 上田暢男3
所属機関: 1順天堂大学医学部呼吸器内科 2福岡大学医学部呼吸器科 3愛媛県立中央病院内科
ページ範囲:P.1013 - P.1023
文献購入ページに移動福地(司会) 本日のテーマとなる「慢性呼吸不全の日常管理」については,特集の本文中にも比較的詳細に取り上げられていますが,一口に言えば,患者さんが呼吸不全という状況を抱えながら日常生活を送っていくうえで,どのようにしてQOLを確保するか,それを医療関係者がどうサポートできるかということだと思います.したがって,まず基本的には患者さんのアメニティの確保が重要で,その点では,苦痛の最大の要因である呼吸困難感の軽減がまず重要になります.そのための最適な薬物療法については,既に評価が済んでいる状況もあり,あとはそれを効率よく維持するための方策,つまり薬物療法のコンプライアンスを高める対策を考えることになります.
もう1つのアメニティとしては,低酸素による組織hypoxiaに起因する心循環系の負荷増大や精神神経系の変調に伴う身体全体の違和感,不快感の軽減があります.これは在宅酸素療法(HOT)が一般的になっていますので,その安全性をいかに確保して,最も有効に治療効果が上がる設定を定期的にチェックして行えるかが重要になると思います.
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