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文献詳細

雑誌文献

medicina36巻9号

1999年09月発行

文献概要

今月の主題 下痢と便秘 下痢の特殊病態—病態,診断から治療まで

海外渡航者の下痢

著者: 森下鉄夫1 大庭堅太郎1 広川雅彦1

所属機関: 1静岡赤十字病院内科

ページ範囲:P.1463 - P.1467

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●海外渡航者の下痢,すなわち旅行者下痢の大部分は,感染性腸炎である.その感染性腸炎の下痢起因菌は,腸管毒素原性大腸菌,サルモネラ,腸炎ビブリオ,カンピロバクター,プレジオモナス,赤痢菌などが多く,ウイルスではロタウイルスが多い.治療の基本は補液で,まず経口補液,重症であれば経静脈輸液を行う.さらに収斂・吸着薬,乳酸菌製剤が投与され,腹痛が激しい場合に抗蠕動薬が用いられる.抗菌薬は,起炎菌を同定し感受性のあるものを投与することが望ましいが,その余裕のない場合は,ニューキノロン系を投与する.
●開発途上国では水・食品はすべて汚染されていると考え,熱を通したものをとり,生食をしない.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1189

印刷版ISSN:0025-7699

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