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文献詳細

雑誌文献

medicina37巻11号

2000年10月発行

文献概要

“One More Step”

低血糖発作による意識障害で入院されたインスリノーマの1例

著者: 小橋吉博1

所属機関: 1川崎医科大学附属川崎病院内科

ページ範囲:P.15 - P.15

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 この症例は,私が研修医2年目に大学病院救急部で経験した1例である.55歳,女性で明らかな既往歴を有しなかったが,意識障害を主訴に救急車で搬送された.通常通り,各種血液検査,頭部CT検査が行われ,その結果をみたところ,脳内には意識障害をきたすような血管性病変がなかったものの,血糖値が30mg/dlと著明に低下していたのみで,他の検査所見には有意な上昇はみられなかった.このため,低血糖による意識障害と診断し,50%ブドウ糖を静注しながら点滴を持続して入院させた.意識が回復したところで,患者さんと話をしていたところ,以前にこういったエピソードもなく,今回が初めてだと言われたため,まず学生時代に学習していたインスリノーマを疑って,腹部超音波検査を自分で試みていたところ,膵臓の付近にあやしい3cm大の腫瘤性病変がみられたため,これによる膵内分泌腫瘍と考えた.その後,自分でも不安なところがあったため,腹部CTをとったところ,膵尾部に3cm大の腫瘤が確認された.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1189

印刷版ISSN:0025-7699

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