icon fsr

文献詳細

雑誌文献

medicina37巻11号

2000年10月発行

増刊号 臨床医のための最新エコー法

エコー法の実践—腹部エコー法

膵疾患

著者: 武井宏一1 羽木裕雄2 跡見裕1

所属機関: 1杏林大学医学部第1外科 2島村記念病院外科

ページ範囲:P.246 - P.250

文献概要

検査の手順
 膵臓は後腹膜腔に存在するために消化管のガスによる影響を受けやすく,また時に周囲の脂肪織とのエコーレベルの差が小さく,臓器の同定すら困難なことがある.被検者を背臥位または坐位として,深呼吸時に心窩部横走査で観察すると,肝臓がacoustic windowとなり膵臓が描出されやすくなる.また,このときにプローブ(探触子)で腹壁をやや強く圧迫すると,消化管のガスが排除され,より描出されやすくなる.膵臓の同定には周囲の脈管系を指標とすることが有用であり,解剖学的位置関係をよく理解することが重要である.膵臓は心窩部で右下から左上へ斜めに存在し,やせ型の人ほど傾斜が急なことが多い.頭部は上腸間膜静脈,門脈の左側縁と十二指腸壁内側縁で囲まれた部分で頸部および鈎状突起を含んでいる.頭部を除いた尾側膵を2等分し,その十二指腸側を体部,脾側を尾部とする.さらに膵臓各部は十二指腸Vater乳頭部を起点として,上下に2等分した線により上・下の領域に分けられ,また各部を前後に2等分した線により前・後の領域に分けられる.なお鈎状突起は後部に含まれる.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1189

印刷版ISSN:0025-7699

雑誌購入ページに移動
icon up

本サービスは医療関係者に向けた情報提供を目的としております。
一般の方に対する情報提供を目的としたものではない事をご了承ください。
また,本サービスのご利用にあたっては,利用規約およびプライバシーポリシーへの同意が必要です。

※本サービスを使わずにご契約中の電子商品をご利用したい場合はこちら