文献詳細
文献概要
“One More Step”
腹部エコー診断ことはじめ
著者: 竹内和男1
所属機関: 1虎の門病院消化器科
ページ範囲:P.257 - P.257
文献購入ページに移動 今では,腹部に何らかの症状があったら,まずエコー検査を行うのが腹部診療での常識である.筆者の施設では,約25年前,1970年代半ばにエコー検査を開始した.その後検査件数は急増し,現在では年間およそ25,000件の腹部エコー検査を行っている.このように数多くの検査がオーダーされるまでには,いくつかのステップがあった.
エコーを始めた頃の話である.当時は,接触複合走査法(contact compoundscan)といって,チョークのような円筒状の探触子を被検者の腹壁に当て,手動で線を引くようにして断層像を得ていた.まさに1枚1枚像を描くといった時代であった.時間もかかるし,他のドクターにとっては見慣れない画像であり,「エコーで何がわかるの?」といった批判的な冷たい眼差しを背に受けながら,肩身の狭い思いをして検査を行っていた.いや,実際は外科医に頼み込んで,術前の胆石症例の検査をやらせてもらっていたというのが正しい.現在では信じられないような話である.
エコーを始めた頃の話である.当時は,接触複合走査法(contact compoundscan)といって,チョークのような円筒状の探触子を被検者の腹壁に当て,手動で線を引くようにして断層像を得ていた.まさに1枚1枚像を描くといった時代であった.時間もかかるし,他のドクターにとっては見慣れない画像であり,「エコーで何がわかるの?」といった批判的な冷たい眼差しを背に受けながら,肩身の狭い思いをして検査を行っていた.いや,実際は外科医に頼み込んで,術前の胆石症例の検査をやらせてもらっていたというのが正しい.現在では信じられないような話である.
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