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文献詳細

雑誌文献

medicina37巻11号

2000年10月発行

文献概要

“One More Step”

腹部エコー診断ことはじめ—その後

著者: 竹内和男1

所属機関: 1虎の門病院消化器科

ページ範囲:P.261 - P.261

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 「腹部エコー診断ことはじめ」(p257)のエピソードがあってから間もなく,リニア型電子スキャンが使えるようになった.以下は,いずれも忘れられない思い出である.
 20歳代前半の若い女性が上腹部痛と黄疸・発熱で外科に入院となった.閉塞性黄疸が疑われたため,最初にERCPが選択された.しかし,2度トライしたが,どうしても胆管造影ができずに終わった.熱は続き,ビリルビン値も急速に上昇し,20mg/dlを超えていた.外科医は次の手としてPTC(経皮経肝胆道造影)を考えていたが,その前に“柳の下のどじょう”ではないが,エコー検査をやってみようということになった.当時,エコー検査の有用性については,まだまだ半信半疑だったのである.おもむろに探触子を当てると,すぐに閉塞性黄疸の状態であることがわかった.同時に拡張した総胆管の末端部に1cm大の結石が明瞭に捉えられた.胆嚢にも同大の結石が複数あり,その落石と思われた.患者が美しい年若い女性の総胆管結石であったこともあるが,そのときの総胆管結石の見事な画像が鮮明に脳裏に焼き付いている.外科医は感嘆し,手術室に走った.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1189

印刷版ISSN:0025-7699

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