medicina37巻11号

2000年10月発行

増刊号 臨床医のための最新エコー法

エコー法の実践—泌尿器領域エコー法

膀胱疾患

著者： 棚橋善克¹

所属機関： ¹東北公済病院泌尿器科

ページ範囲：P.312 - P.316

文献概要

膀胱の解剖
　膀胱は体幹の最下部に存在し，一部は恥骨の後方に位置している．膀胱のうち，左右の尿管口と内尿道口を3つの頂点とする三角部は，壁が厚く，しかも周囲に固定されていて動かない（変形しない）．それに対し三角部以外の部分は，尿の貯留状況によりその厚さが変化する．また，膀胱が空虚のときは，前面を腸が覆っており，超音波ビームの通過を妨げる．したがって，膀胱病変を見逃しなく検査するためには，膀胱内の尿の貯留の状態に注意を払う必要がある．