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増刊号 臨床医のための最新エコー法 エコー法の新しい展開
組織ドプラ法
著者: 宮武邦夫1 上松正朗1
所属機関: 1国立循環器病センター心臓血管内科
ページ範囲:P.364 - P.369
文献購入ページに移動 心エコー法は,非侵襲的に心臓の形態および機能をともに評価しうる優れた方法である.しかし,例えば左室壁運動を評価しようとするとき,現行の標準的な方法では肉眼的に壁運動を観察することのみでは,精密な定量的評価は難しく,検者によっては結果が異なることがある.すなわち,心エコーによる壁運動評価は,初心者のみならず熟練者にとっても決してやさしいものではない.臨床的には左室壁運動の客観的,定量的な評価は診断と病態評価に役立ち,治療法の選択にも重要と思われるので,実際,左室壁運動の定量化の試みは古くから行われてきた.しかし,いずれの方法も限界があったり,リアルタイム性に乏しく実用向きではなかったりして,結局,臨床現場では熟練者による肉眼的判定が標準的かつ信頼しうる方法となっている.組織ドプラ法はこのような壁運動評価を定量的かつ客観的に行いうる方法として注目されている.
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