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増刊号 臨床医のための最新エコー法 エコー法の新しい展開
コントラスト剤(造影剤)
著者: 椎名毅1
所属機関: 1筑波大学電子・情報工学系
ページ範囲:P.400 - P.403
文献購入ページに移動 超音波診断では,血流像を得る手段として従来からドプラ法があるが,コントラスト剤(造影剤)を用いることにより血流からのエコーが増強され,心筋内灌流や肝臓など臓器実質内の血流動態の把握が容易になった.一方で,コントラスト剤の主成分は微小気泡(マイクロバブル)であり,それによる散乱(反射)を利用している.そのため,気泡の特性の違いのほか,送信の音圧や周波数,超音波音場分布など測定条件の影響を強く受けることや,造影剤が容易に崩壊消失する点が,CTなどで用いる造影剤とは大きく異なる.
このため,コントラストエコー法においては造影剤の開発とともに,造影に適した超音波装置の開発も重要となる.ここ数年で,いくつかのコントラスト剤が市販されて臨床応用に供されるようになり,造影法も非線形散乱を用いるハーモニック映像法が考案されるなど,飛躍的に進歩したと言える.しかし,微小気泡と超音波の相互作用はきわめて複雑であり,コントラスト剤,造影法ともに様々なものが検討されているが,簡便性,再現性,定量性などを満足させる至適なものはいまだ得られていない.
このため,コントラストエコー法においては造影剤の開発とともに,造影に適した超音波装置の開発も重要となる.ここ数年で,いくつかのコントラスト剤が市販されて臨床応用に供されるようになり,造影法も非線形散乱を用いるハーモニック映像法が考案されるなど,飛躍的に進歩したと言える.しかし,微小気泡と超音波の相互作用はきわめて複雑であり,コントラスト剤,造影法ともに様々なものが検討されているが,簡便性,再現性,定量性などを満足させる至適なものはいまだ得られていない.
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