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文献詳細

雑誌文献

medicina37巻11号

2000年10月発行

文献概要

増刊号 臨床医のための最新エコー法 エコー法の新しい展開

超音波の生体作用(キャビテーションなど)

著者: 遠藤信行1

所属機関: 1神奈川大学工学部電気工学科

ページ範囲:P.408 - P.409

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生体作用
 広く普及している超音波診断装置では,音の強さが微弱でかつ時間的に非常に短いパルス状音波を使ってカラーエコー断層像やハーモニックイメージ像を取得している.このような微弱な音波を扱う線形音響学に対し,結石破砕や音響化学作用の促進に代表される治療応用では,有限振幅音波を扱う非線形音響学を考慮する必要がある.ここでは強い音波が生体に及ぼす影響,特にキャビテーション(ultrasonic cavitation)について記す.この際われわれは,超音波の以下の特徴をうまく利用している.
 1)音波の直進性:一般に波(波動)は,波長が短くなると直進する性質を持つ.特に,生体中を伝わる超音波の速さ(伝搬速度)は,レーザー光や電波に比べると数万倍遅い.このため波長が大変短くなり,生体中を直進する性質を持つ.エコー診断法は音波の直進性を仮定とし,また強力超音波音場を得るために音波を集束させる場合にも,この性質を利用している.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1189

印刷版ISSN:0025-7699

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