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文献詳細

雑誌文献

medicina37巻11号

2000年10月発行

文献概要

増刊号 臨床医のための最新エコー法 エコー法の新しい展開—超音波の治療応用(超音波作用を利用した治療法)

微粒子の超音波操作

著者: 山越芳樹1

所属機関: 1群馬大学工学部

ページ範囲:P.440 - P.442

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 医用超音波の分野において,直径数μm以下の微小気泡が注目を集めている.微小気泡は超音波をよく反射することから超音波造影法でのコントラスト剤として使われていることは言うまでもないが,このほかにも微小気泡と超音波の間には多くの相互作用があり,例えば微小気泡が超音波から力を受けたり超音波下で破壊されたりするので,将来は血管を通して薬剤を直接患部に搬送するドラッグデリバリーシステムでの応用が期待されている.微小気泡は超音波を受けると大きな体積変動を起こすため,気泡の破壊や小気泡への分裂,膜を通じた内部ガスの拡散など気泡自体が受ける作用がある.また,気泡の体積変動により生じる二次的な超音波が近傍の気泡に影響し,この結果,気泡間に引力や斥力が働くBjerknes forceと呼ばれる効果や,気泡の存在によりキャビテーションの閾値が下がったりする化学的作用など多くの現象がある.現状ではこれらすべてが解明され,将来の具体的な応用に向けて各種現象が積極的に利用されているとは言えず,この分野の研究は途についたばかりであるが,将来の超音波診断や治療への応用と,そこで期待される効果を考えれば,今後精力的に研究を進めねばならない分野である.
 本稿では,われわれの研究室で行ってきた超音波と微粒子との相互作用を利用しようとする試みを紹介したい.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1189

印刷版ISSN:0025-7699

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