文献詳細
文献概要
今月の主題 消化器薬の使い方 2001 Editorial
対話とエビデンスに基づいた消化器薬の使い方
著者: 上野文昭1
所属機関: 1大船中央病院消化器肝臓病センター
ページ範囲:P.1736 - P.1738
文献購入ページに移動従来の薬物治療の問題点
いくら有用な薬剤があっても,それを正しく使わなければ意味をなさない.技術に長けた内視鏡医であっても,それを正しく適用する能力に欠ければ,むしろ危険きわまりない医師であるのと同様である.「薬の使い方」は薬理学とは少し異なる診療技術である.残念ながら,臨床医にとって重要なこの技術が正しく教育されているとは思えない.
わが国の若手医師は,先輩に言われるがままに,あるいは先輩の処方を見様見真似で覚え,薬物治療を行うことが多い.その先輩も実は同じような方法で薬の使い方を学んでいるため,単なる表面的な技術の伝授の域を脱していない.そこで用いられる薬剤は,個々の患者で特定された問題点に対して最良の薬剤かどうかという評価がなされるはずもない.さらに悪いことに,医薬品は医療産業の中心的存在であるため,組織的な企業戦略により医師の判断と行動が左右されてしまうことも少なくない.
いくら有用な薬剤があっても,それを正しく使わなければ意味をなさない.技術に長けた内視鏡医であっても,それを正しく適用する能力に欠ければ,むしろ危険きわまりない医師であるのと同様である.「薬の使い方」は薬理学とは少し異なる診療技術である.残念ながら,臨床医にとって重要なこの技術が正しく教育されているとは思えない.
わが国の若手医師は,先輩に言われるがままに,あるいは先輩の処方を見様見真似で覚え,薬物治療を行うことが多い.その先輩も実は同じような方法で薬の使い方を学んでいるため,単なる表面的な技術の伝授の域を脱していない.そこで用いられる薬剤は,個々の患者で特定された問題点に対して最良の薬剤かどうかという評価がなされるはずもない.さらに悪いことに,医薬品は医療産業の中心的存在であるため,組織的な企業戦略により医師の判断と行動が左右されてしまうことも少なくない.
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