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文献詳細

雑誌文献

medicina37巻12号

2000年11月発行

文献概要

今月の主題 消化器薬の使い方 2001 消化器治療薬を使う!

胃・食道逆流症(GERD)

著者: 小山茂樹1

所属機関: 1滋賀医科大学第2内科

ページ範囲:P.1781 - P.1784

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GERDの概念と病態(図1)
 胃・食道逆流症(GERD:gastroesophagealreflux disease)は,胃酸を中心とする胃内容物の食道内逆流により生じる症状ないし(and/or)下部食道粘膜傷害を包括した疾患概念である.
GERDはendoscopy positive reflux disease(EPRD:内視鏡陽性逆流症)とendoscopy negative reflux disease(ENRD:内視鏡陰性逆流症)に亜分類される.EPRDは以前の「逆流性食道炎」と同意語であり,内視鏡検査にて下部食道粘膜に発赤・びらん・潰瘍の「粘膜傷害」のある疾患である(内視鏡的重症度分類であるLos Angeles分類1)は「mucosal break」と表現し,「粘膜傷害」と訳す).ENRDは内視鏡検査で明らかな「粘膜傷害」を認めない胃食道逆流症をいう.NUD(non-ulcer dyspepsia,現在ではfunctional dyspepsiaといわれている)は,内視鏡検査により慢性胃炎以外の所見を認めない疾患概念で,その症状より4亜型に分類(心窩部痛:ulcer-like,胃部膨満感:dysmotility-like,胸やけ:refiux-like,その他:nonspecific)されている2)が,reflux-like NUDはENRDと同一である.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1189

印刷版ISSN:0025-7699

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