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文献詳細

雑誌文献

medicina37巻12号

2000年11月発行

文献概要

今月の主題 消化器薬の使い方 2001 消化器治療薬を使う!

H. pylori関連性疾患

著者: 高木敦司1

所属機関: 1東海大学医学部消化器内科Ⅱ

ページ範囲:P.1794 - P.1795

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◆Key Question
 EBMの観点からはHelicobacter pylori(H. pylori)の除菌対象の疾患は何が適当か?
 除菌療法の薬剤の組み合わせにはどのようなものがあるか?
臨床エビデンス
 H. Pyloriはヒト胃粘膜生検組織より分離培養されたグラム陰性のらせん状桿菌であり,慢性胃炎の主な病因として認められている.一方H. pyloriは消化性潰瘍においても高率に検出され,1994年の米国NIH(国立衛生研究所)のH. pylori除菌のためのコンセンサス・カンファレンスによりH. pylori陽性の消化性潰瘍の除菌が勧告され,欧米ではH. pyloriの除菌が潰瘍の治療として一般化している.さらにH. pyloriと胃癌や胃MALTリンパ腫との関連についても論じられている.
 EBMを発展させてきたSackettらの基準1)では,根拠の強弱を5段階に分け治療の推奨を3段階で行っている.消化性潰瘍の除菌療法による再発予防成績をまとめた総説2,3)では,H. pylori感染の治癒は,胃潰瘍,十二指腸潰瘍の再発減少に関連するため根拠が強いと結論づけられている.Hopkinsらの総説3)では,MEDLINEの検索が行われ,そのうち十二指腸潰瘍14編,胃潰瘍5編の論文の成績がまとめられた.その結果,総数892名の十二指腸潰瘍患者と222名の胃潰瘍患者がH. pyloriの除菌療法の結果が解析され,十二指腸潰瘍では,非除菌群の再発率が67%であるのに比し,除菌成功群は6%と低率であった.胃潰瘍においても除菌成功群での再発が低率であった.EBMの観点から,除菌療法は潰瘍の再発予防に根拠が強いと結論づけられている.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1189

印刷版ISSN:0025-7699

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