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文献詳細

雑誌文献

medicina37巻12号

2000年11月発行

今月の主題 消化器薬の使い方 2001

消化器治療薬を使う!

炎症性腸疾患

著者: 飯塚文瑛1 中村哲夫1 本間直子1 山岸直子1

所属機関: 1東京女子医科大学消化器内科

ページ範囲:P.1800 - P.1803

文献概要

◆Key Question
スルファサラジン(サラゾピリン®),5-アミノサリチル酸(ペンタサ®)はどのように異なるのか.その使いわけの基準は?
臨床エビデンス
 炎症性腸疾患(IBD;潰瘍性大腸炎,Crohn病)は,わが国で次第に発症率が増加し続けている疾患で,潰瘍性大腸炎の患者が6万人を超え,Crohn病の患者は1万7千人に及ぶ.両疾患は病因,病態とも異なるが,以下のような共通点を有する.どちらも,①いまだ原因は特定されていない,②発症に多因子がかかわる,③免疫異常を伴う慢性・再発性の腸炎である,④ステロイドが治療薬となる合併症〔変形のない関節炎,眼の炎状(虹彩炎,強膜炎など),皮膚炎(結節性紅斑,壊疽性膿皮症)など〕を併発する,⑤腸病変の分布や腸炎の症状より診断される,いわば「症候群診断の疾患」である.
 これらの腸炎は治療においても以下のような共通点がある.いずれも適量・適切な用い方で,①活動期治療(軽症)の抗炎症薬の第一選択として,また緩解維持薬として,アミノサリチル酸製剤(サラゾスルファピリジン:サラゾピリン®や,5アミノサリチル酸:ペンタサ®が6〜8割に有用,②中等症・重症では,出血や潰瘍形成抑制にステロイド薬が8割に有用1〜6)

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1189

印刷版ISSN:0025-7699

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