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文献詳細

雑誌文献

medicina37巻12号

2000年11月発行

文献概要

今月の主題 消化器薬の使い方 2001 消化器治療薬を使う!

慢性ウイルス肝炎

著者: 柴田実1

所属機関: 1昭和大学医学部第2内科

ページ範囲:P.1807 - P.1810

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◆Key Question
慢性B型肝炎に対するIFN(インターフェロン)療法は長期予後を改善するか?
臨床エビデンス
 B型肝炎ウイルス(HBV)は世界で最も感染者(キャリア)が多い肝炎ウイルスであり,3億5千万人のキャリアが存在する.慢性肝炎が10年以上続くと10〜40%が肝硬変へ進展する.肝硬変では年間3〜6%に肝発癌を認め,年間4〜10%が死亡する.慢性B型肝炎の治療効果の判定には,ALT正常化,HBe抗原およびHBV-DNAの消失などが代用エンドポイントとして用いられる.HBe抗原陽性例では1回900〜1,000万単位のIFN(インターフェロン)を週3回4〜6ヵ月間,HBe抗原陰性かつHBV-DNA陽性例では1回600万単位のIFNを週3回24ヵ月間が最も有効な投与方法とされ,25〜40%に著効が得られる1).28の無作為対照試験(randomized controlled trial:RCT)のメタ分析では,自然経過観察群に比べIFN治療群では,ALT正常化が28%,HBe抗原消失が25%,HBV-DNA消失が24%増加する1).著効に関連する因子はHBV-DNA低値(<100pg/ml,ALT高値,肝組織HAIスコア高値,成人感染あるいは急性肝炎の既往,非アジア人種,HIV感染なし,IFN総投与量大である.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1189

印刷版ISSN:0025-7699

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