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文献詳細

雑誌文献

medicina37巻12号

2000年11月発行

文献概要

今月の主題 消化器薬の使い方 2001 消化器治療薬を使う!

自己免疫性肝疾患

著者: 石橋大海1 具嶋敏文1

所属機関: 1九州大学大学院医学研究院病態修復内科学

ページ範囲:P.1812 - P.1815

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◆Key Question
AIH(自己免疫性肝炎)に対してprednisolonは絶対的適応か?維持療法は何を目標にどの薬剤でどれくらいの期間続けるか?
臨床エビデンス(表1)
 AST(アスパラギン酸アミノトランスフェラーゼ)が正常の10倍以上,あるいは5倍以上で少なくとも正常の2倍以上の高γ-グロブリン血症,あるいは肝組織像でbridging necrosisを呈するような活動性が高いAIH(自己免疫性肝炎)症例に対して,prednisolon(PSL)が第一選択薬であることは,すでに1970年代に行われた臨床試験で確立している.その成績は,無治療での3年死亡率は50%,10年死亡率は約90%であるが,治療群ではそれぞれ10%,30%と大幅な改善が得られている.寛解導入の薬剤選択としてazathioprine(AZP)とPSL単独およびこれらの併用投与の比較もなされたが,AZP単独では効果が低い.寛解導入が得られた後は,維持療法において,どの薬剤をどのくらいの量でどのくらいの期間続けるかが問題となる.King's College Hospitalの報告では治療中止2ヵ月で約50%に再発をきたし,PSL単独継続しても2年後には約30%の再発がみられている.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1189

印刷版ISSN:0025-7699

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