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文献詳細

雑誌文献

medicina37巻3号

2000年03月発行

文献概要

カラーグラフ 病原微生物を見る・7

腸炎ビブリオ

著者: 本田武司1

所属機関: 1大阪大学微生物病研究所細菌感染分野

ページ範囲:P.480 - P.482

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腸炎ビブリオとは
 腸炎ビブリオが藤野恒三郎博士(大阪大学名誉教授)により発見されてから約50年を経過したが,腸炎ビブリオは現在でも依然としてわが国における細菌性食中毒の主要な原因菌の一つである.本菌による食中毒の一次原因食品は海産魚介類である.グラム陰性の楡杆菌(図1)であり,培養条件によっては極単毛と側鞭毛を有する(図2).魚介類の生食という日本人の食嗜好,また昨今のグルメ志向,あるいは発展途上国への海外旅行ブームを考えれば,本菌感染症が当分減少するとは思えない.むしろ,わが国の食中毒統計をみると,ここしばらくの間,本菌による食中毒は2,3位の発生頻度であったが,平成10年度は9年ぶりに第1位(患者数)となった.この意味で腸炎ビブリオもリエマージング(再興)した感染症といえるかもしれない.その一つの理由は,ここ1〜2年急増してきたO3:K6(やO4:K68)という血清型の腸炎ビブリオの世界的な流行がいわれている.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1189

印刷版ISSN:0025-7699

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