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文献詳細

雑誌文献

medicina37巻5号

2000年05月発行

文献概要

カラーグラフ 病原微生物を見る・9

緑膿菌

著者: 古谷信彦1 山口惠三1

所属機関: 1東邦大学医学部微生物学

ページ範囲:P.846 - P.850

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細菌学的特徴(図1)
 緑膿菌(Pseudomonas aeruginosa)は緑膿菌科,Pseudomonas属に属するグラム陰性桿菌で,その菌体はまっすぐかやや彎曲し,1本(稀に複数本)の極鞭毛をもち運動性を有する.本菌はまたブドウ糖を酸化的に分解し,発酵分解しないことからブドウ糖非発酵菌と呼ばれるグループにも含まれる.緑膿菌は土壌,水,下水,植物,哺乳類の腸管内に広く分布しており,病院内では流し場,吸入器,生野菜や果物,花瓶の水などの湿潤した環境から高率に分離される.通常,健常人では皮膚,口腔,糞便から緑膿菌が分離される頻度は低いが,入院中に抗菌薬や免疫抑制剤などの投与を受けた患者ではその頻度は高率となる1,2)

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1189

印刷版ISSN:0025-7699

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