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文献詳細

雑誌文献

medicina37巻6号

2000年06月発行

文献概要

今月の主題 症例から学ぶ水電解質・酸塩基平衡異常 症例・Na代謝異常

心因性多飲による低Na血症

著者: 須藤博1

所属機関: 1東海大学医学部腎代謝内科

ページ範囲:P.886 - P.889

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 【症例】41歳,女性.16歳で発症した分裂病があり,この10数年は精神科病院に入院し数種類の向精神薬にて治療されていた.これまでにも大量飲水ののち頻回に嘔吐した既往がある.入院当日の朝より洗面器で大量の水を飲み続け,その後意識レベルの低下をきたした後に全身痙攣を起こした.このため近医に搬送されジアゼパムを投与された.頭部CTにて異常を認めなかったが,著明な低Na血症を認めたため紹介され,入院となった.
 身体所見:意識は傾眠状態.気管内挿管されていた.血圧:正常,発熱なし,浮腫なし.
 検査所見:Posm 235mOsm/l,Uosm 240mOsm/l,BUN 3.0mg/dl,Cr 0.6mg/dl,Na 114mEq/l,K 3.0mEq/1,Cl 83mEq/1,U-Na 102mEq/l,U-K 6mEq/l,U-Cl 83mEq/l,Ucr 8-4mg/dl
 意識障害が当初みられ,気管内挿管を行いICU管理.入院後3%食塩液を開始.Na濃度は回復したが,その後著明な血清CPKの上昇がみられたため,輸液により利尿を行い,尿量を確保した.これらにより腎機能の低下はなく経過,腎不全は回避された.入院2日後より徐々に意識レベルも回復し,4日目には意識清明となった.入院8日目に元の精神科病院に転院となった.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1189

印刷版ISSN:0025-7699

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