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文献詳細

雑誌文献

medicina37巻6号

2000年06月発行

文献概要

今月の主題 症例から学ぶ水電解質・酸塩基平衡異常 症例・Ca・P代謝異常,その他

透析患者にみられた高P血症

著者: 石村栄治1 山田真介1 森井浩世1

所属機関: 1大阪市立大学医学部第2内科

ページ範囲:P.928 - P.932

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 【症例】29歳,男性.小学校5年時に血尿・蛋白尿を指摘されたが,放置.21歳時に腎不全を指摘され,22歳時に血液透析導入.その後,週3回の維持透析をしていた.暴飲暴食が多く食事療法は十分でなく,炭酸カルシウム3g/日内服中であったが,しばしば高P血症を指摘されており,また透析除水量も多かった(ドライウェイト60kg,除水量4,000〜5,000ml).28歳時より肘関節痛がみられ,腰痛,踵痛など全身の骨・関節痛が増悪し,全身の皮膚掻痒感がみられた.高PTH(副甲状腺ホルモン)血症,高ALP(アルカリホスファターゼ)血症がみられ,ビタミンDパルス治療(1,25(OH)2D33μg週2回内服)が施行された.しかし,治療効果は不十分であり,高P血症,異所性石灰化(関節周囲,四肢動脈ほか,図1)がみられ,副甲状腺摘出術の検討にて入院となった.
 血液検査:TP 5.4g/dl,Alb 3.4g/dl,ALP 320IU/l,Na 142mEq/l,K 5.8mEq/l,Cl 105mEq/l,Ca 10.2mg/dl,P 8.9mg/dl,中間部PTH(HS-PTH)214,000pg/ml,intact PTH 829pg/ml
 副甲状腺エコー:4腺の腫大を認める(右上15.1×8.1mm,右下20.8×12.7mm,左上9.2×5.2mm,左下17.2×10.8mm)

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1189

印刷版ISSN:0025-7699

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