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文献詳細

雑誌文献

medicina37巻6号

2000年06月発行

文献概要

カラーグラフ 病原微生物を見る・10

Helicobacter pylori

著者: 福田能啓1 坂上隆1 下山孝1

所属機関: 1兵庫医科大学第4内科

ページ範囲:P.1029 - P.1033

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発見の経緯
 胃酸が分泌されるので胃内には細菌は生息しないと考えられていた.オーストラリアのR.Warrenは,胃粘膜の生検組織を顕微鏡で観察しているうちに細菌感染と関連がありそうなことに気がつき,当時,研修医であったB.Marshallに胃粘膜組織を培養するように命じた.
 この細菌は通常の細菌とは異なり,2〜3日間の培養期間ではコロニー形成がみられず,なかなか培養に成功しないでいた.B.Marshallは培地を孵卵期のなかに忘れたまま,うっかりイースターの休暇に入ってしまった.ところが,休暇が終わって研究室に戻ってみて初めて,そこにこの菌のコロニーを発見し培養に成功した(1983年).

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1189

印刷版ISSN:0025-7699

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