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文献詳細

雑誌文献

medicina37巻6号

2000年06月発行

図解・病態のメカニズム 胃疾患・8

NSAID起因性胃病変

著者: 荒川哲男1 樋口和秀1 藤原靖弘1

所属機関: 1大阪市立大学医学部内科学第3・生体情報解析学

ページ範囲:P.1035 - P.1039

文献概要

 非ステロイド系抗炎症剤(NSAID)が胃粘膜傷害を高頻度に惹起することは,臨床的にも実験的にも証明されている.NSAID長期服用者における胃潰瘍有病率は15〜20%とされており,NSAID非服用者のそれに比し7〜9倍高い1).一方,十二指腸潰瘍はといえば,NSAID長期服用者で有病率が2%程度であるから,胃潰瘍よりはリスクが低い.NSAIDによる粘膜傷害が酸依存性であり,また酸性下に吸収されることが十二指腸潰瘍より胃潰瘍のリスクを高めている理由かもしれない.NSAIDは,胃粘膜防御機構の円滑な営みを中心的に支えるプロスタグランディン(PG)の産生を阻害するため,これがメインの機序であると考えられている.ここでは,その機序をさらに詳細に考えるとともにその対策を論じてみたい.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1189

印刷版ISSN:0025-7699

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