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今月の主題 「考える」診断学—病歴と診察のEBM 考える診断学のイントロダクション
「考えて行う」医療面接・身体診察—pertinent negativeとは?
著者: 武田裕子1
所属機関: 1琉球大学医学部附属病院地域医療部
ページ範囲:P.1414 - P.1417
文献購入ページに移動 診断の過程は,治療すべき疾患が存在するといえる(rule in)まで,あるいは確信をもって疾患を否定できる(rule out)まで続けられる.その最初のステップが医療面接と身体診察である.鑑別診断を挙げて,それぞれの疾患の可能性の高さや否定できる強さを考えていく.患者の年齢や性別,背景因子ごとの疾患の罹患率(疫学的データ),病歴と身体所見,さらに初診時までに得られた検査データ(検診結果や紹介元の前医での検査結果など)が,鑑別診断を考える指標となる.
血液検査や画像診断の進歩により,診断は検査結果に基づいて行われるというイメージが強い.しかし,Sandlerの報告によると,診療所から総合病院内科に紹介されてきた患者630人のうち,病歴のみで診断がつけられた患者は56%,病歴と身体診察で診断された患者は73%であった1).病歴聴取や身体診察そのものが診断的価値を有し,診断法(diagnostic tests)の一つに位置づけられるという結果である.
血液検査や画像診断の進歩により,診断は検査結果に基づいて行われるというイメージが強い.しかし,Sandlerの報告によると,診療所から総合病院内科に紹介されてきた患者630人のうち,病歴のみで診断がつけられた患者は56%,病歴と身体診察で診断された患者は73%であった1).病歴聴取や身体診察そのものが診断的価値を有し,診断法(diagnostic tests)の一つに位置づけられるという結果である.
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