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文献詳細

雑誌文献

medicina37巻9号

2000年09月発行

文献概要

今月の主題 「考える」診断学—病歴と診察のEBM 考える診断学のイントロダクション

病歴・診察所見と患者アウトカム

著者: 松村真司1

所属機関: 1東京大学医学教育国際協力研究センター

ページ範囲:P.1433 - P.1436

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患者アウトカムとは
 医療の質は様々な形で評価されるが,最も頻繁に用いられる理論的枠組みがDonabedianの提唱する医療の質評価モデルである(図1).医療の質はこのモデルに基づき,①構造(structure),②過程(process),③アウトカム(outcome)の3つの視点より評価を受ける1)・構造とは,人的スタッフや予算など医療サービスのインフラストラクチャーであり,いわば医療をとりまく環境である.過程とは,医療サービスにおいて,実際に提供されるサービスの技術の確かさ,あるいは提供された医療サービスそのものである.そして,提供された医療サービスによって最終的にもたらされた結果がアウトカムである.このアウトカムを最良にすることが,医療サービスが目指すべき最終的な目標である.
 Donabedianのモデルでは,構造→過程→アウトカムの順にサービスの質を規定していると説明されている.例えば,十分な医療設備(構造)がなければ,いくら優れた診察技術をもつ医師がいてもその技術を十分に発揮することはできない.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1189

印刷版ISSN:0025-7699

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