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文献詳細

雑誌文献

medicina37巻9号

2000年09月発行

今月の主題 「考える」診断学—病歴と診察のEBM

考える診断学の実際 common symptoms and signs編

アルコール依存症—内科で患者の否認をどう診るか

著者: 加藤純二1

所属機関: 1宮千代加藤内科医院

ページ範囲:P.1459 - P.1461

文献概要

症例
 症例1:58歳,男性.当院の近所の会社へ転勤してきたと受診.前医からの紹介状にある病名は,高血圧症,心室性期外収縮,高脂質血症,高尿酸血症,不眠症であった.飲酒習慣(1日ビール2本)があり,2週間後の採血検査を予約し,それまでの禁酒を指示した.「飲酒習慣がどの程度あなたの病気に影響しているか調べたい」と検査の理由を話すと,患者は「できない」という.「それなら他医を受診するように」と紹介状を返そうとすると,「やってみます」と帰っていった.2週間後の採血検査では,紹介状に添えられてあった異常値のすべてが改善していた.軽度の高血圧症と心室性期外収縮が残り,その後はβブロッカーのみの投与を続けている.飲酒はその後,家庭では止め,社交的に必要な最小限にとどめていて,6年後の現在,経過は順調である.
 症例2:35歳,男性.両親と3人で老舗の自営業を続けている.本人はこの3年間,十二指腸潰瘍による入退院を繰り返していた.店は実質的に母親が経営しており,本人は断続的に大量飲酒をしていた.母親が保健所へ相談に行き,本人が再び強い腹痛を訴えたとき,母が当診療所を勧めて受診した.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1189

印刷版ISSN:0025-7699

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