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文献詳細

雑誌文献

medicina38巻10号

2001年10月発行

文献概要

今月の主題 新しい概念に基づいた慢性心不全診療 治療の最前線

心不全における抗凝固療法

著者: 西村敬史1

所属機関: 1東京大学医学部附属病院循環器内科

ページ範囲:P.1682 - P.1686

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ポイント
 血栓塞栓症の既往または心房細動をもつ心不全患者に対しては,禁忌がない限り抗凝固療法が勧められる.また心不全を伴う急性心筋梗塞に対しても抗凝固療法が勧められる.
 心不全患者において血栓塞栓症のリスクと関連があると思われるものは,他に心不全重症度,運動耐容能,左室駆出率,年齢,糖尿病などが挙げられるが,抗凝固療法の有効性については一致していない.
 心不全の原因疾患として虚血性心疾患の割合が多い欧米では,抗凝固療法が心不全患者の生命予後を改善したとする信頼すべき報告がみられるが,これらは主に心血管死を減少させたものであり,抗凝固療法が虚血性心疾患自体の予後を改善した結果とも考えられる.したがって,心不全の原因として非虚血性心疾患の割合が多いわが国においても同様の結果が得られるかどうかは不明である.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1189

印刷版ISSN:0025-7699

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